予防歯科について
歯科医院は、悪くなった歯の治療をするだけではありません。お口の中の健康管理や、普段のお手入れが行き届いているかをチェックする「予防」も、歯科医院の大切な役割のひとつです。むし歯になる「前」に、ぜひ歯科医院にお越しください。
健康な歯は、「美味しく食事ができる」「楽しくお話する」「笑顔で生活する」ために、必要不可欠なものです。私たちは、「患者様のお口の健康を通して、心と身体の両面をサポートをしていきたい」と考えております。
PMTCについて
PMTCとは、医療器具を使用して歯科衛生士が行う、歯のクリーニングのことです。
歯周病の原因となる「バイオフィルム(細菌の膜)」は、毎日のブラッシング(プラークコントロール)だけでは取り除くことが難しく、また蓄積されてしまうもの。毎日欠かさず歯磨きをしていても、歯周病や歯のトラブルを起こしてしまう可能性があります。
歯周病などの歯の病気を未然に防ぐためにも、できれば数ヶ月に1回程度、定期的にクリーニングを行っていただくことが必要です。
当院のPMTCは、知識や技術、経験を持った歯科衛生士が、患者様のお口の状態に合わせて行っております。また、ブラッシングの指導も受けていただければ、ご自宅で行うセルフケアでも、効果的な歯周病・むし歯予防ができます。ご希望の方は、お気軽にスタッフまでお申し付けください。
定期検診について
当院では、病気の早期発見と早期治療のため、3ヶ月~6ヶ月に1度の間隔で、定期検診をご案内しております。むし歯など、何らかの治療を行った方の経過観察の場合には3ヶ月、健康な歯の方は6ヶ月をひとつの目安として、簡単な検査を行っております。
定期検診の目的
むし歯や歯周病は、進行しなければ自覚症状が現れない、怖い病気でもあります。そのため、ごく初期の段階で発見・治療を行うためには、定期検診が欠かせません。病気を進行させないためにも、定期検診を受けるようにしましょう。
定期検診の重要性
定期的に検診に訪れている方と、日頃のセルフケアのみの方を比べると、「60歳のときに残っているご自身の歯の本数は、セルフケアのみの方は検診に来られている方の約半分の本数しかない」と言われています。
このことからも、「自分の歯を健康的に保つためには、やはり歯科医院での定期的なチェックが欠かせない」と言うことができます。
むし歯の予防について
むし歯は、3ヶ月~半年ほどの期間であれば、症状が急激に進行することはありません。なるべく初期段階のむし歯を発見し、治療と予防を行うことが、ご自身の歯をより多く残すことにもつながります。
※急激に進行する場合は、違う原因が存在する可能性があります。
歯周病の予防について
定期検診で歯周病の検査をすることで、症状の確認・予防・治療を行います。
歯周病は、一定の周期で、病気の進行と停滞を繰り返す病気です。そのため、痛みが治まると、「治った」と勘違いされる方がいらっしゃいます。しかし、歯周病が自然に治癒することはほとんどありません。歯科医院での治療・予防が何よりも大切なのです。
歯周病検査と治療
歯周病が発症する原因として、歯周組織に細菌が入り込むことが知られています。
歯周病を防ぐには、日々のブラッシング(プラークコントロール)を徹底して、お口の中の細菌を減少させることです。そのため、お口の中を常に綺麗に保つことがとても大切です。
しかし、細菌の塊であるバイオフィルムは、日々のセルフケアですべて取り除くことはできません。バイオフィルムをしっかりと除去するために、定期的にPMTCを受けていただき、口腔内の環境を清潔に保っていただくことをおすすめしております。
8020運動に力を入れております
一生を通じて快適な食生活を過ごすためには、まず、健康な歯や口腔状態を維持することが重要です。
歯の健康は全身や心の健康にも影響する、極めて大切な問題です。80歳でご自身の歯を「20本」残すことができれば、食べものを好きに楽しみ、味わえることでしょう。また、よく噛むことは消化を助け、心と身体を活性化し、老化を防いでくれます。
平成11年度に厚生省が行った「歯科疾患実態調査」によれば、80歳における残存歯数は8本程度でしたが、最近ではなんと約半数の方が20本以上の歯を残存している状況です。
80歳で20本以上、ご自身の歯が残っている方は、「愛知県歯科医師会」に表彰されます。当院は、表彰される患者様が名古屋市中の歯科医院の中でも多い医院でもあります。食べる楽しみは年を重ねるごとに大きくなるもの。ひいては生きる喜びにもつながるものです。当院では、これからも歯を守る治療を全力で行ってまいります。
歯周病の検査とは?
①歯周ポケットの検査
歯周ポケット検査の判定基準は、以下のとおりです。
ポケット深さ | 歯周病の程度 |
---|---|
1~2ミリ | 問題なし |
3~4ミリ | 軽度歯周病 |
5~6ミリ | 中程度歯周病 |
7ミリ以上 | 重度歯周病 |
②レントゲン検査
骨の吸収度合をチェックする検査です。歯周病が進行すると、歯を支える骨が溶けて吸収されてしまいます。そのため、歯周病が進行してしまうと、歯を支えるものがなくなってグラグラしたり、最終的には抜けてしまったりします。
③歯周病細菌検査
その他の検査を経て、「細菌検査が必要」と判断された場合に行います。
④噛み合わせの検査
噛み合わせのズレや歪みの有無を、さまざまな角度から検査し、診察時に判断します。
⑤ブラッシングの検査
ご自宅での歯磨きで十分にプラークコントロールができているか、ブラッシングの方法に問題はないかなどを確認します。
⑥口腔内写真
口腔内の写真を撮影し、現在の状態を患者様に確認していただきます。撮影した写真は、治療過程で比較していく際にも使用します。
⑦生活習慣や食生活の問診
歯周病は、日々の生活習慣や食生活を改善することで、予防や抑制ができる病気です。そのため、患者様にもご協力をお願いする部分があります。
問診では、現在の生活環境や職業などについてお伺いし、糖尿病などの他の病気がないかや、喫煙の有無なども合わせてお聞きします。
実際の治療については、患者さまの口腔内の状態や、お伺いした生活環境などを踏まえて、患者様とご相談しながら治療内容を決めていきます。問診の際に、気になることや不安なことがありましたら、お気軽に医師までご質問ください。